4.最初のニーズからの展開について
最初のニーズとは、「従業員のモチベーションアップ(やる気)」と「新人の離職防止」を意味します。
「従業員のモチベーションアップ(やる気)」または「新人の離職防止」への対応と並行して、あるいは従業員数が多いため対象者を絞って展開することがあります。 ここでは、現時点(2022年10月4日現在)において顕在化している展開と、近い将来起こり得る展開の二つに分けてみます。
4-1.最初に、現在顕在化している展開について説明いたします。
ここでは、以下の三つのケースを説明します。
①「リーダー・管理職のモチベーションアップ」のニーズへの展開
②「社長自身」への展開
③「後継者」への展開
①「リーダー・管理職のモチベーションアップ」のニーズへの展開
・従業員数が多いため対象者を絞って展開する例に「リーダー・管理職のモチベーションアップ」があります。
現在の会社の状況が、転機を迎えていると危機感を持つ社長にとっては、特にリーダー・管理職に大きな期待を持つことになります。
そして、社長を始めとする経営者層の期待と、リーダー・管理職層の言動の間でギャップが生じることが起こり得ます。
・リーダー・管理職向けの面談概要とスケジュールは以下の通りです。

・内容は、新人向け(初年度)と全く同じ内容となっています。
すなわち、従業員向けと違って、「自分を知る」「自分を深く知る」そして「相手を知る」は、必ず一貫して強制的に行うことになります。
リーダー・管理職にとって最も重要なのは、「相手を知る」の部分となります。
相手を知らずして、部下にどの業務を分担してもらうのかを決めることは難しいです。
また、相手を知らずして、相手が分かるように説明することも、非常に困難となります。
つまり、リーダー・管理職にとっては、「相手を知る」ことが、グループの生産性向上には必須条件と考えられます。
・また、内容は同じであっても、新人とリーダー・管理職とでは、自ずと気づく内容には、かなりの差異があります。
そして、自分自身を深く知らない状態で、相手を知ろうとしても、それは狭い見方しかできないと考えられます。
相手と円滑なコミュニケーションを図るためには、自分自身を深く知った上で、相手を知ることが重要になって来ます。
・なお、新人にとっても、学生時代の交友とは異なる、世代間を超えた人達やこれまで経験したことが無い考え方の人達から、仕事や社風を学んでいかなければなりません。
同様に、相手と円滑なコミュニケーションを図るためには、自分自身を深く知った上で、相手を知ることが重要になって来ます。
②「社長自身」への展開
・従業員のモチベーションアップ(やる気)や新人の離職防止に対応して、適宜社長への報告や提案を行っていきます。
また、従業員の中で、「第2ステップ」や「第3ステップ」に進んだ人に、社長が情報収集している可能性もあります。
それらの情報より、御自身も体験してみようとする社長も現れてきます。
・もちろん、社長自身が、自分を振り返る中で一つでも重要なことに気づければ、それが会社に与える効果は他の誰よりも大きいと判断できます。
しかし、それは誰もがそうであるように、実際に体験してみないと理解できません。
「従業員のモチベーションアップ」や「新人の離職防止」の最初のニーズから、「社長自身」までの道のりに多少時間がかかることは、致し方のないことだと思います。 ・社長向けの面談概要とスケジュールは以下の通りです。

・「第1ステップ」の内容は、新人向け(初年度)やリーダー・管理職向けと全く同じ内容となっています。
ただし、「第2ステップ」の内容が大きく異なります。
また、回数も5回から、12回と大幅に多くなっています。
(4)「管理会計」(5)「会社の強み」「事業領域」(6)「事業承継」(7)「自社株」の会社全般に関わる内容が加わることが、その主な理由となります。
③「後継者」への展開
・「事業承継」の候補として、社長の親族が「後継者」になる場合が多くあります。
学生から一度別会社に数年勤務した後に、「後継者」として入社するケースや、卒業後直ぐに入社するケースなどが考えられます。
・後継者向けの面談概要とスケジュールは以下の通りです。

・後継者の場合は、「自分を知る」の中で、事業承継しない夢①をまず描いてもらいます。
そして、事業承継する夢②を描いてもらって、自分はどの夢を選び、どちらの夢を捨てるのかを決定してもらいます。
後継者の場合、幼少の頃から周りの人達の期待を一身に担い、自分も大人になったら事業を承継するものだと、無意識に思っていることが想定されます。
後継者以外の人達は、これからの人生、どの道を歩むかは白紙の状態であり、就職する節目には必ず決断が求められます。
同様に、後継者になる場合でも、必ず一度は、事業を承継しない夢を描いておく必要があると判断できます。
・将来事業の全責任を負うことになる社長に就任すると言うことは、他の従業員とは異なり、簡単に再就職の手段を選択することが難しいからです。
事業には、必ず「山あれば谷もある」という場面が訪れますが、深い谷に直面した時に自分自身が最初に選んだ道であることを思い出せば、乗り越えることが出来るかも知れません。
そして、「第1ステップ」の最後の10回目では、覚悟の確認と「制度会計」の基礎知識や「自社株」での株の取得比率と権利を説明します。