2020.4.22
強い「ストレス」を感じた人に着目して欲しいこと:強い「不安」の場合 ・「不安」の内容が漠然とした不安の場合の対処

強い「ストレス」を感じた人に着目して欲しいこと:強い「不安」の場合 ・「不安」の内容が漠然とした不安の場合の対処

1.強い「ストレス」、特に強い「不安」を感じたと気づいたら、何に着目すれば良いだろうか?

(1)自分の「不安」の分析と「不安」の内容がはっきりしている場合の対処

(2)「不安」の内容が漠然とした不安の場合の対処

次に、『「不安」の内容が漠然とした不安の場合の対処』の内容を説明する。

                   

2.「不安」の内容が漠然とした不安の場合は、どう考えれば良いだろうか?

(1)最初に、自分の過去を振返り、自分にとって大切な「価値観」(捨てられない「こだわり」)を、しっかり自覚することがポイントになる。

自分自身の生涯を貫く「価値観」は、自分の個性を形成しており、「感じ方」「考え方」「判断基準」を決めている。

「価値観」は、自分の過去も現在も、そして未来の自分にも影響を与えるものである。

そのことを、まずはっきり理解することが、不安を解消する一歩となる。

(2)次に、自分自身の「好き」「嫌い」をはっきり自覚しておくことが重要である。

自覚できれば、「好き」なことで一番好きなことを、伸ばしていくことが可能になる。

また、「嫌い」なことを全て克服する必要はなく、自分にとって特に「苦手」なことは、他人に依存していくことが可能になる。

(3)そして、将来に対する漠然とした不安の場合、最初に期日を決めて行くと、具体的なイメージを抱けるようになって行く。

漠然としていた将来の期日を明確にすることで、一つの不安要因を減らすことが出来る。

この場合、今の自分にとって、遠い将来と思える期日(例えば、5年後や10年後)が、良いように思える。

(4)上記の(1)~(3)のステップが完了してから、「自分のやりたいこと」すなわち、「自分の夢」を自覚する。

この「自分の夢」は、夢物語に出てくる荒唐無稽で理想的な想像ではない。

是非実現したいものであり、今の自分にとって一番魅力的なものが、「自分の夢」である。

これも、広義な意味で、自分が「好きな」ことの具現化と見なすことが出来る。

(5)最後に、将来の「なりたい自分」を自覚する。

自分自身の「好きな」言動の中で一番これから伸ばしたいと思うことを取り上げる。

その延長上に、「こういう風に、・・」「あの人のような・・」という自分が描く将来の「なりたい自分」がある。

「好きこそ物の上手なれ」ということわざがあるように、生きていく上で、自分にとって最大の「強み」になって行く。

(6)以上の(1)~(5)のことは、全て自分の中にある漠然とした不安を、一つずつ明確なイメージに置き換えることによって、解消または軽減することに繋がって行く。

                  

3.将来の「なりたい自分」と「自分の夢」を自覚すると、何が変わっていくのか?

(1)将来の「なりたい自分」や「自分の夢」を自覚したからと言って、自分の心配事や不安が無くなる訳では無い。

「不安」という将来に対する「安心できない状況」を察知する能力は、本能的に自分自身の中に備わっているように感じている。

車で「ブレーキ」がなければ、運転できないように、人は「不安」を察知する能力が無ければ、生き延びることは難しいと考えられる。

(2)一方、将来の「なりたい自分」や「自分の夢」を自覚できると、無意識の内にそれらを実現したいという欲望が生じて気づいてみるとそれらに一歩一歩近づいていることが分かる。

その瞬間、「喜び」や「達成感」という、正の感情が自然に生じる

それは車の「アクセル」に似ている。

(3)つまり、「不安」と「喜び」のバランスが重要な気がする。

振り返ると、最初に、「漠然とした不安」の気持ちが生じたことが出発点となっている。

それを、「安心できる状態」を一つ一つ具体的なイメージにした結果が、将来の「なりたい自分」や「自分の夢」となる。

そして、それを実現しようとする過程で、近づいたと気づいた都度、「喜び」を感じる。

その「喜び」が、更に近づきたいというモチベーションになっていく

(4)大抵の人は、その強弱はあるにせよ、自分の将来の人生に、「漠然とした不安」を抱いていても不思議ではない

その「不安」を無視するのでは無く、自分事と捉えた瞬間から、自分の中にあった「もやもやしたストレス」から徐々に解放されていく気がする。

特に、「ストレス社会」で暮らしている現在の日本人にとっては、大切かもしれない。

(5)日々周りからの多くの情報に右往左往していた「浮き草」のようだった自分から、しっかりと大地に根を下ろした「木」に変わったような感覚になる。

その意識の変化が、一番大きいのかも知れないと思う。

                  

4.自分の「価値観」・「なりたい自分」・「夢」を、どう捉えれば良いのだろうか?

(1)植物の「木」に例えてみようと思う。

木の「幹」:自分の「価値観」

・捨てられない「こだわり」は、「幹」のようでもある。

「幹」によって木全体の骨格が決まるように、「価値観」によって「個性」が決まる。

「幹」さえ残っていれば、いつか枝葉が伸び、花や実がなることが可能になる。

木の「花」や「実」:自分の「夢」

・一つの「夢」が実現して、人生が終わる訳では無い。

次の魅力的な「夢」を描いて、その「夢」を追いかける。

そういう意味では、綺麗な「花」や美味しい「果実」に相当すると思う。

・また、「花」や「実」は、自分の葉の葉緑素の栄養分だけでは結実しない。

気候などの周囲環境に大きく左右される点も、「夢」と似ている。

木の真っ直ぐ下に伸びる「縦の根」:「なりたい自分」

・「なりたい自分」には、これで良いという所が無い。

生涯を通して、求めていくことになると思われる。

「なりたい自分」は、精神的成長には欠かせないが、表面的に外には現れない。

「根」も、ここまでで良いという訳ではなく、木の生涯を通して伸びて行くものと思われる。

また、基本的に地表に現れることは無く、地上ではその存在に気づけない。

(2)上記のような例えで理解できるように、自分の「価値観」や「なりたい自分」は、生涯を通して自分にとっては長い付き合いとなる。

・一方、自分の「夢」は、自分の環境が大きく変わった場合、変化して行くことがある

自分の「夢」を変えるかどうか、それは自分自身でその都度決めていくことになる。

もちろん、安易に「夢」を変えることを勧めている訳では無い。

しかし、自分の「夢」に固執し過ぎることも、避けた方が良いように思われる。

この場合も、バランスが大切な気がする

                 

5.「不安」な気持ちと付き合って行く場合、最も大切なことは何だろうか?

(1)「不安」な気持ちは、「怒り」と比べると「かすかな」感じであり記憶にも残りにくい所がある。

でも、その「不安」な気持ちを放置していると、自分の中で大きくなっていき、言葉で現しにくい「もやもや」した胸のつかえに似た感覚が溜まっていくようになる。

つまりは、「ストレス」を溜め込むことになってしまう。

・最も大切なことは、自分自身の感情に、気づくことだと思う。

そのためには、自分自身のささいな変化に着目して行くことが、ポイントとなる。

(2)次に大切なことは、感じた「不安」な気持ちを開放することだと思う。

感じた「不安」な気持ちを、そのままにして置かないことです。

・ここで記載した方法でも良いし、それ以外の方法でも良いと思うが、将来の漠然とした自分の中にある「恐れ」を、まず受けとめる。

そして、その「恐れ」を「安心できる状況」に変えていくことで、「不安」な気持ちを自分の外に吐き出していく感覚である。

「もやもや」した胸のつかえを開放して、「スッキリ」した気持ちになることが大切。

(3)最後に大切なのは、「バランス」感覚だと思う。

・将来の漠然とした「安心出来ない状況」を、明確にイメージ出来る「安心できる状況」に変えた後、重要になって来る。

・例え、期限を切って思い描いた状況になれなかったとしても、または自分を取り巻く環境が大きく変わって最初に描いたことを変えることになったとしても、それまでの期間は、「不安」な気持ちが解消または緩和されていたと考えられる。

全て最初に描いた状況が、自分が決めた期日で100%達成することだけが、本来の目的では無いように考えられる。

本来の目的は、「ストレス」の解消または軽減である。

もちろん、安易に変えることでもなく、一方固執することでも無い。

正に、「バランス」感覚が重要である。