強い「ストレス」を感じた人に着目して欲しいこと:強い「不安」の場合
1.強い「ストレス」、特に強い「不安」を感じたと気づいたら、何に着目すれば良いだろうか?
(1)自分の「不安」の分析と「不安」の内容がはっきりしている場合の対処
(2)「不安」の内容が漠然とした不安の場合の対処
次に、『自分の「不安」の分析と「不安」の内容がはっきりしている場合の対処』の内容を説明する。
2.最初に自分が感じている不安は、何かを考えてみる
・そのためには、感じている不安を、自分の表現で書き出してみる。
書いてみることで、少し「不安」が和らぐ感じになる。
その例を、以下に4通り示す。
①「明後日、大勢の人前で、スピーチしなければならない」が上手に話せるかどうか不安である。
②「一週間後に、自分にとって、初めての大きな大会がある」が、これまでの練習の成果を出し、良い成績が得られるかどうか不安である。
・上記の①や②の場合の不安は、日時が決まっており、さらに不安に感じている対象や不安の内容がはっきりしている。
①の場合、対象は「スピーチ」であり、内容は「上手に話せるかどうか」である。
②の場合、対象は「大会への出場」であり、内容は「良い成績が得られるかどうか」である。
③「将来、年金額が目減りしていくので、どうなってしまうのか」が不安である。
④「これから、自分の人生が、どうなるのか分からない」のが不安である。
・上記の③や④の場合の不安は、期日もはっきりしないと共に、不安の対象や不安の内容も漠然としている。
3.どうして、「不安」の感情が湧き起こるのだろうか?
・将来の自分に、安心出来ない事態が頭に浮かぶと、自然と「不安」の感情が湧いて来る。
また、その「不安」な気持ちが強くなると、それは「恐怖」の感情になって来る。
その場合、全く安全でない状況であり、自分の身に危険が及ぶ感覚になっている。
・ところで、「不安」も「恐怖」も、自分の頭の中で、どんどん膨らんでいく性質がある。
幼児が夜一人でトイレに行けない気持ちの場合と、全く同じような感覚に襲われる。
すなわち、最初は何でもない心配事だったとしても、繰り返しその心配が自分の脳裏に浮かんでくると、次第に「不安」になり、さらには「恐怖」になって行く。
4.「不安」を防ぐ方法は、あるのだろうか?
①まずは、自分の「不安」の内容を自覚することである。
そのために、書き出すことは一つの方法である。
さらには、人に自分の「不安」を話すことも有力な方法となる。
②次のポイントは、「不安」に思う内容に関する情報を、出来るだけ手に入れることになる。
入手した情報によって、自分が「不安」に思っていることが、薄らいで行くことになる。
ただ、どんなに情報を集めても、将来のことを全部把握することは不可能である。
③最後のポイントは、「不安」に思うイメージ(安心できない事態や安全でない状況)を、別の「安心できる」イメージに変えていくことである。
具体的には、「イメージトレーニング」を行う方法となる。
5.「不安」の内容がはっきりしている場合の対処方法
(1)「今の自分に、何が出来るか」を問いかけてみる。
例えば、以下のような行動によって、関連する情報が得られれば、「不安」が軽減したり、解消するかもしれない。
・ネットなどで、関連しそうな事柄を調べる。
・「不安」に感じている対象や内容に、関連しそうな人に会って、話を聞いてみる。
・「不安」に感じている対象や内容に、関連する場所に行ってみる。
(2)自分一人では有効な方法を気づかない場合、身近な人を巻き込んでみる。
・自分が感じている「不安」の対象や内容を書き出した上で、相談してみる。
・どん方法があるか、ブレーンストーミングを行う。
・出て来たアイデアの中から、今の自分が出来そうなことを実行してみる。
(3)上記(1)や(2)でも、上手く「不安」を軽減・解消できない場合:
・最終手段として、「イメージトレーニング」に似た方法がある。
運動の選手が、本番前に行う方法に、「イメージトレーニング」がある。
・同じ様に、本番前に、色々な場面を想定しながら、今考えられる最適な方法や言い回しで、最高の結果になるよう、頭の中でイメージする。
ちょっと、「不安」に感じたら、その都度気が済むまで、イメージを重ねて行く。