2020.4.15
 強い「ストレス」を感じた人に着目して欲しいこと:強い「不満」(怒り)の場合 ・相手の「価値観」を知る

強い「ストレス」を感じた人に着目して欲しいこと:強い「不満」(怒り)の場合 ・相手の「価値観」を知る

1.強い「ストレス」、特に強い「不満」(怒り)を感じたと気づいたら、何に着目すれば良いだろうか?

(1)自分の「価値観」を知る

(2)相手の「価値観」を知る

(3)自分自身の中に「怒り」の原因を探す

(4)「思い通りにならない」原因を自分の中に探す

次に、『相手の「価値観」を知る』の内容を説明する。

                 

2.強い「ストレス」は、どうして発生するのだろうか?

(1)自分の「価値観」の中に、相手から土足で踏み込んで来られるような言動があると、自分はその瞬間、強い「不満」(怒り)や「不愉快」な思いに襲われる。

同様に、相手の「価値観」に、自分が踏み込んだ言動を行うと、相手はどのような感情が湧きおこるか、容易に想像できると思う。

それは、「怒り」の感情である

(2)自分が相手の言動に「怒り」を覚える時は、強い「ストレス」が生じる。

ただし、相手が急に怒り出した時に、自分に全く身に覚えがない場合、自分も相手に「怒り」の感情が発生して、やはり強い「ストレス」となってしまう。

この場合、自分が「相手の価値観」を知らなかったことによって、相手も自分も不要な強い「ストレス」が生じている可能性がある。

                     

3.相手の「価値観」が分かると、どうなるのか?

(1)相手の「価値観」を分かっていると、不用意に相手を怒らせることが無く、自分はそれを避ける方法が分かっていることになる。

相手の怒りを全て無くすことは、もちろん不可能だが、相手を怒らせない方法を知っていることになる。

そのことは、以前突然相手が怒り出したケースが、今後は自分の言動を意識するだけで、その頻度が減って行くことを意味している。

(2)自分の「個性」を形成する「価値観」を周りの人達に認めて欲しいと思うならば、まず相手の「個性」や「価値観」を認めて行くことが重要である。

自分の「価値観」は認められたいが、相手の「価値観」は認めたくないということは、世の中では通用しない理屈である。

まず、相手の「個性」を尊重していくことが、肝要である。

つまりは、相手の「価値観」を尊重することに他ならない。

そして、そういう意識を持てば、自然と相手を怒らせないことに繋がっていく。

相手の怒りが少なることは、とりもなおさず自分の「ストレス」も軽減されていく

                   

4.相手の「価値観」を知ることは、何を意味するのか?

(1)相手の「価値観」に気づいた後は、自分との「価値観」との相違に気づくことが大切となる。

つまり、自分と相手とは、「価値観」が異なっていることを認識してもらいたい。

・「好いている人」と「自分」、「嫌い人」と「自分」さらに「好いている人」と「嫌いな人」の全てにおいて、「価値観」は異なっている。

・このことから、「価値観」は個々の人毎に変わっているということ、そして自分の「価値観」は現在地球上に生きている70億~80億人の中で、同じものは無いということを理解する。

(2)自分と全く同じ「感じ方」「考え方」「判断基準」の人は、この世の中に居ない

・違う言い方をすれば、自分と他の人とでは、例え同じ経験をしても「感じ方」は違っていて当たり前であるということ。

さらに、自分と他の人とでは、例え同じ課題を与えられても「考え方」は違っていて当たり前であるということ。

当然、自分と他の人とでは、例え同じ状況下であっても「判断基準」が違っているので、その「行動」は違ってくるということ。

自分と違うことを、本当の意味で「当たり前」と認識することは、簡単では無い。

しかし、身近な人の「価値観」を類推することその人達の「価値観」を尊重すること、を実際に体感していく中で、少しずつ「違っていて、当たり前」が腑に落ちていく

                      

5.どうすれば、相手の「価値観」を知ることが出来るだろうか?

・興味のある方は、以下の方法を試して欲しい。

「カードソート」を使って、自分の「価値観」を見つけた方法と同様に行う。

15の項目が書かれた日本マンパワーが開発した「バリューカード」を用意する。

・まずは、「価値観」を類推する相手を、誰にするかを特定する。

この時、自分がその相手を「好いている人」と、「嫌いな人」を選ぶと類推しやすい。

「好いている人」と「嫌いな人」は、両極端に思うかも知れないが、むしろ類推が難しいのは、自分にとって関心が薄い人(「無関心な人」)である。

理由は、「好いている人」も「嫌いな人」も、どちらも自分にとっては関心が高く、良く観察しているからだと思われる。

むしろ、「無関心な人」は、どういう人なのかを分かっていないことが多い。

相手の人を特定したら、その相手が大切にしていると想像するカードを3枚選ぶ

自分の「価値観」の場合は5枚のカードを選んだが、他人の場合は5枚選ぶのは難しいと判断して、3枚にした

もちろん、3枚では少ないと感じた場合は、4枚・5枚を選ぶことは問題ない。

・15枚のカードは、自分の「価値観」の場合と同様で、以下の通りである。

  • 他者への影響力
  • 権威/責任
  • 社会的評価
  • 報酬と豊かな生活
  • 安全性/安心感
  • プライベートの時間
  • 身体的活動
  • 協調性
  • 自立性/自律性
  • 公共性/公益性
  • 多様性
  • 個性の発揮
  • 美的追求
  • 秩序/完璧性
  • リスク/冒険性

カードソートで選んだ3枚のカードから、自分なりの言葉に翻訳し直して、200字以内に相手の「価値観」を書いてみる。

この時は、箇条書きでも文章でも、どんな表現でも構わない。

公表したり、誰かに見せたりはしないので、自分に取って一番しっくりくる表現が望ましい。

・その後、自分自身で直ぐに思い出せるように、50字以内に要約して行く。

この時は、枝葉を極力省き、「幹」だけ残す感じで要約する。

要約した「言葉」が、相手の「価値観」となる。