2020.4.14
強い「ストレス」を感じた人に着目して欲しいこと:強い「不満」(怒り)の場合

強い「ストレス」を感じた人に着目して欲しいこと:強い「不満」(怒り)の場合

1.強い「ストレス」、特に強い「不満」(怒り)を感じたと気づいたら、何に着目すれば良いだろうか?

(1)自分の「価値観」を知る

(2)相手の「価値観」を知る

(3)自分自身の中に「怒り」の原因を探す

(4)「思い通りにならない」原因を自分の中に探す

次に、『自分の「価値観」を知る』の内容を説明する。

                     

2.自分の「価値観」が、どうして「怒り」に関係してくるのか?

(1)自分の「価値観」の中に、相手から土足で踏み込んで来られるような言動があると、自分はその瞬間、強い「不満」(怒り)や「不愉快」な思いに襲われる

それは、強い「ストレス」となる。

(2)「価値観」とは、一体なにだろうか?

・自分が「大切」にしている「拠りどころ」

別の表現では、

・自分にとって、捨てられない「こだわり」

(3)その後「怒り」が収まってから、その時の相手の言動を振り返ってみて相手が自分の「価値観」に踏み込んできたことが理解できる。

・そうすると、次回似たような局面が起きた時、少しずつ自分の強い「不満」や「不愉快」な思いになっている原因が、より早く分かって来る

分かって来ると、相手が自分の「価値観」を知らずに踏み込んで来ているのだと考えられることで、「ストレス」が少し緩和される

                            

3.「価値観」は、何を意味するのだろうか?

「価値観」とは、自分の「感じ方」「考え方」「判断基準」が凝縮されたものであり、自分の「個性」を形成する重要な部分と言える。

・まず、自分の「価値観」の中に、相手から土足で踏み込んで来られるような言動があった場合、自分はその瞬間、強い「不満」(怒り)や「不愉快」な思いに襲われる

そして、自分の「価値観」にそぐわない環境が日々続いている場合、自然と「ストレス」が溜まり続ける状態となってしまう。

・一方、自分の「価値観」に沿うような状況が続いている期間は、自分としては「満ち足りた」感じを持つことができ、ハッピーな状態になっている。

                        

4.相手が自分の「価値観」に踏み込んで来た時に、出来ることはあるのか?

・これまでのように、その時相手に自分の「怒り」の感情をぶつけると、「怒りの連鎖」が生じてしまう。

また、相手の言動の問題点を指摘しても、結果は同じように、「怒りの連鎖」が始まる。

・この時、一つ方法がある。

それは、相手に自分の「感情」を話すことである。

自分の「感情」が、相手を責めているようには受け取られず、「感情」自身に良いとか悪いとか相手にとっては判断のしようが無い。

そこで、相手が「どうして、そういう感情を抱いたのか?」と聞いて来た時に、始めて自分の「感情」の理由を説明することになる。

・以下の事例は、自分が実際に経験したことである。

自分の「価値観」には、「マイペース」というキーワードが含まれており、自分はそれを特に重視している。

或る日の夕食時に、相手からその自分の「価値観」に踏み込まれて、自分はその時席を立ったことがあった。

翌朝、相手から昨晩のことで話を求められた時に、自分は「悲しかった」と表現した。

その時、相手は「悲しんだったら、泣いたらどう」と言ったので、自分はその理由を説明した。

相手は、その説明で納得はしてなさそうだったが、自分が大切にしている「こだわり」の一端を理解してくれた様子だった。

全ての事例で、自分が経験したように行くかどうかは、分からない。

ただ、相手にどうしても何か言いたい時には、「試してみる」価値はあると思う

                      

5. どうすれば、自分の「価値観」を見つけることが出来るだろうか?

・興味のある方は、以下の方法を試して欲しい。

ここでは、以下の二つの方法を説明する。

(1)自分の遠い過去(小学校低学年)から現在までの人生を振り返って、その時々の自分の満足・不満足の時期を思い出していく方法である。

この方法は、過去のある時期に、自分の「価値観」が色濃く現れていることに気づける。

・そのことで、自分の「価値観」が過去から現在まで一貫していることを認識出来る特徴がある。

・ただし、この方法は、誰か聞いてくれる人が必要となる。

また、聞いてくれる人が、自分の「価値観」を見つけるのに、サポートできる人が望ましい。

(2)「カードソート」と呼ばれる方法がある。

一例として、日本マンパワーが開発した「バリューカード」には、以下の15の項目が書かれている。

これら15枚のカードの内、自分が大切にしていると思えるカードを5枚選ぶ。

そして、選んだ5枚のカードを一番大切にしていると思う順に並べて行く。

  • 他者への影響力
  • 権威/責任
  • 社会的評価
  • 報酬と豊かな生活
  • 安全性/安心感
  • プライベートの時間
  • 身体的活動
  • 協調性
  • 自立性/自律性
  • 公共性/公益性
  • 多様性
  • 個性の発揮
  • 美的追求
  • 秩序/完璧性
  • リスク/冒険性

・カードソートで選んだ5枚のカードから、自分なりの言葉に翻訳し直して、200字以内に自分の「価値観」を書いてみる。

この時は、箇条書きでも文章でも、どんな表現でも構わない。

公表したり、誰かに見せたりはしないので、自分に取って一番しっくりくる表現が望ましい。

・その後、自分自身で直ぐに思い出せるように、50字以内に要約して行く。

この時は、枝葉を極力省き、「幹」だけ残す感じで要約する。

要約した「言葉」が、自分の「価値観」となる。

ただし、数日後に、自分の「価値観」が直ぐに思い出せるかどうか確認する。

・もし、その時に思い出せないようだと、未だ枝葉が残っている可能性がある。

その時には、再度「幹」は何なのかを考えて、直観で、さらに要約する。

直ぐに思い出すには、一つ二つのキーワードに集約されていることが肝要である。

・この方法は、一人だけでも自分の「価値観」を見つけることは可能である。

さらに、自分以外の他人についても、相手の「価値観」を類推することも可能である。