2020.4.6
高「ストレス」状態の人に着目して欲しいこと:「睡眠の質と睡眠時間」

高「ストレス」状態の人に着目して欲しいこと:「睡眠の質と睡眠時間」

1.高「ストレス」状態かどうかに、気づく方法

・仕事上でも、プライベートでも、毎日毎日「つらくて重い」と感じたら、既に自分は高「ストレス」状態だと、まず考えて行動することが大切である。

・現在の医学では、こころの病気の場合、体の病気とは異なり、まだ原因がわかっていないことが多いという特徴がある。

現在では、特徴的な症状とその持続期間 および それによる生活上の支障がどの程度あるかで、病名をつける方向になって来ている。

・ましてや、その前兆となる高「ストレス」状態を、自分以外の人が明確に診断することは、更に困難な状態と言える。現在の状況では、自分自身の感覚(主観)が、一番頼りになると考えられる。

                          

2.高「ストレス」状態かも知れないと気づいたら、何に着目すれば良いだろうか?

(1)睡眠の質と睡眠時間

(2)自分に合った「ストレス」解消法

(3)重大な決断や行動を回避

次に、「睡眠の質と睡眠時間」の内容を説明する。

                        

3.睡眠の質と睡眠時間

(1)睡眠の質:

①入眠時の寝つき具合がポイントとなる。

寝る前には、今日の「もやもや」を解消または緩和しておくと、寝つきが良くなる。

そうしないと、布団に入ってから、今日の嫌な記憶が甦ると、中々寝つけなくなる。

・寝る前にスマートフォンやパソコンを操作すると、それらから発せられる青い光が、体内時計に影響を与えて、眠れなくなる。寝る前のスマートフォンやパソコンはまずい。

また、寝室の夜間は、黄色やオレンジ色の、少し暗めの感じの照明が望ましい。

就寝の約2時間前の入浴または就寝直前のぬるめの湯の入浴は、体内の深部から体外への放熱が促進されて、寝つきが良くなる。

入浴でなくとも、就寝前の軽いストレッチも同様の効果がある。

入眠時の寝つきが良くなると、その直後の深い「ノンレム催眠」時に、脳の下垂体からの「成長ホルモン」の分泌が促進される。深い眠りが重要な鍵となる。

この「成長ホルモン」は、子供の時に骨の伸長や筋肉の増大、けがの治癒を促進する。「成長ホルモン」は、成人にとっても重要で、疲労回復や新陳代謝を促進する。

                   

(2)睡眠の時間:

①睡眠時間は、6時間以上が望ましい。

4時間以下は、少ないと判断できる。

睡眠時間を確保することで、人間本来が持っている「心身の癒し」の効用を最大限活用することが、高「ストレス」状態の人には重要である。

②睡眠日誌(睡眠表)により、眠りの状態を可視化することで、平日と休日の睡眠時間の違いを把握する。

睡眠不足の状態を「睡眠負債」と呼ぶが、休日に平日より多く寝るのは、平日の睡眠不足が溜まって「睡眠負債」がある状態だと理解する。

平日も、休日とほぼ同じ睡眠時間が望ましい。

睡眠時間の変化を、睡眠日誌(睡眠表)で確認していくことが重要である。

③夜に6時間以上連続して眠ると、その間に「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」のセットが3~5回繰り返され、日中に受けた脳と体のダメージの回復および記憶や感情の整理が行われる。

日中のストレスによって疲労した脳と体を、睡眠中にしっかりメンテナンスすることで、翌日に気力や体力が甦り、高「ストレス」に立ち向かうことが出来る。

④平均より早寝早起きの人を「朝型」と呼び、平均により遅寝遅起きの人を「夜型」と呼ぶ。そして「朝型」と「夜型」の間の人を「中間型」と呼ぶ。

若者は「夜型」に傾き、高齢者ほど「朝型」になっていく。

この「朝型」「夜型」は、年齢で変化するだけでなく、体内時計を決める遺伝子によっても影響を受けるものなので、就寝する時間帯はあまり気にしなくて良いと思われる。

                     

4.関連する「ストレス」や「睡眠」の知識

(1)高「ストレス」状態

  • 高「ストレス」の状態になると、上図のようにパフォーマンス(効率)が落ちている状態になる。
  • 以前難なく出来ていたことが出来ない、または同じ業務を行っても時間がかかる、そして以前少なかった凡ミスが多くなるように、効率が落ちてしまっている。
  • まず、その現状をしっかり自覚することが重要である
  • この場合、少しでも「累積ストレス」を緩和させることが可能になれば、以前のパフォーマンス(効率)に近づくことは可能となる。

ただし、「累積ストレス」なので、そう簡単には減少しない。

そこで、有効なのは、「睡眠」という人間本来持っている「心身の癒し」を最大限の活用が重要である。

これまで、十分でなかった場合、「睡眠の質と量」を改善するだけでも、日々「累積ストレス」を減少させることが可能となる。

            

(2)「成長ホルモン」と睡眠のパターン

  • 上図のように、「成長ホルモン」は最初の深い「ノンレム睡眠」の時に、分泌される。

そういう意味でも、入眠時の寝つきの良さがポイントとなる。

寝る前には、今日の「もやもや」を解消または緩和しておくと、寝つきが良くなる。

そうしないと、布団に入ってから、今日の嫌な記憶が甦ると、中々寝つけなくなる。

その方法の一つに、帰宅したら、直ぐに「内なる声」を手書きで書き出す方法がある。

そして、「内なる声」を書いた紙は、廃棄する。

詳細は、次の自分に合った「ストレス」解消法で説明する。

  • 夜に6時間以上連続して眠ると、その間に「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」のセットが3~5回繰り返され、日中に受けた脳と体のダメージの回復および記憶や感情の整理が行われる。