「ストレス」のまとめ‐1:「歴史に学ぶ点」と「ストレスの法則」
1.「日本人が歩んできた歴史から、学ぶ点は何だったか?」
変革内容 | 何年前 | 1年カレンダー |
狩猟採集 | 38000 | 1月1日 |
農業革命 | 3000 | 12月2日 |
産業革命 | 130 | 12月30日 |
現在 | 0 | 12月31日 |
(1)狩猟採集の時代が長く(1年カレンダーでは11か月)、その時代の生き方や習慣が、現在の日本人にも色濃く残っていると考えられる。
・狩猟採取時代では、一人ではなく集団で狩りを行うことが多かった。
そのことから、自然に平等の考え方や仲間を思いやる気持ちが強かったと思われる。
・またその時代では、石器などの道具を使用していたが、他の肉食獣に対して恐怖や不安を感じて過ごしていたと考えられる。
負の感情(恐怖・不安や怒り)に揺さぶられた経験は、忘れないように記憶されてきた。
・現在の日本人にも、負の感情を思い出す度に、精神的「ストレス」をその都度感じて、「ストレス」が知らず知らずに溜まっていく。
第1次産業:「農業・漁業・林業」第2次産業:「鉱業・建設業・製造業」第3次産業:「それ以外」
出典)国勢調査(2015年・2005年)より:総務省統計局
(2)約百年という短期間に、第3次産業に携わる人の割合が約7割へと急激に増加した。
農業革命・産業革命の導入後に働く人にとって、想定されるストレス源を考えてみる。
第1次産業では「自然」(気候・台風などの自然災害)となり、第2次産業では「品物」(品質・生産効率など)が想定される。
そして、第3次産業では「人」(多種多様な人への対応)が考えられる。
現在第3次産業に携わる4千万人という多くの人達が、想定される「ストレス源」の「人」に悩まされていると考えられる。
そういう意味では、現在の日本人は、高「ストレス」社会に暮らしていると言える。 |
2. 「ストレス」に関する法則:ヤーキーズ・ドットソンの法則とセリエの全身適応症候群の組み合わせ
(1)「ストレス」を感じること自体が、問題なのではない。
ストレスが少なくても、パフォーマンス(効率)は低下する。
「孤独感」を感じつつも、何か行動してみようとする気力が生じない。
(2)適度な範囲の累積ストレスは、パフォーマンス(効率)を向上させる。
最適なレベルを超えて、強い情動(ストレス)が喚起されるような状態になると、パフォーマンス(効率)は逆に低下する。
(3)どういう気持ちが生じたら、要注意なのだろうか?
仕事上でも、プライベートでも、辛くて「重く」感じた時が要注意である。(つらくて重い=「重荷」)
この状態を放置していると、「うつ病」を発症する。
『「ストレス」のまとめ‐1』のポイントを、以下に書いてみる。
(1)現在の日本人は、高「ストレス」社会に暮らしている。 (2)「ストレス」を感じること自体が、問題なのではない。 適度な範囲の累積ストレスは、パフォーマンス(効率)を向上させる。 累積ストレスが多くなって来ると、自然と効率が落ち始める。 この状態を放置していると、「うつ病」を発症する。 |