「脳の仕組み」と「直観」
1.大事なことは、「直観」的思考は、一朝一夕にはいかず、何回も繰り返す学習によって、「直観力」が磨かれていくことである。
すなわち、「直観力」が磨かれていくと、「自問自答」によって、非常に短時間に自分が欲しい回答を、かなりの正確さで得られることになる。
暮らして行く上で、これほど頼りになる助けは無いと言える。
2.どのようにして、「自問自答」が行われるのか、自分の経験からその一例を以下に示してみる。
①或る日の夕方、自分は何となく「もやもや」した胸騒ぎを覚える。
そこで、最初の「自問自答」を行う。「どうして、「もやもや」した感じがするのか?」
②それに対して、「直近の或る場面が、浮かび上がって来る。」
そこで、2番目の「自問自答」を行う。「その場面で、何があったのか?」
③それに対して、「自分がミスしたことに、気づく。」
そこで、3番目の「自問自答」を行う。「どうして、ミスをしてしまったのか?」
④それに対して、「自分のミスの原因に気づく。(例えば、最初からこれはやろうと決めていたテーマに気を取られ、肝心な相手に寄添う気持ちがおろそかになった等)」
そこで、4番目の「自問自答」を行う。「これから、自分はどうしたいのか?」
⑤それに対して、「これからは、肝心なことを最初に行ってから、残りの時間で決めていたテーマにかかろう。」という風に、原因が分かれば今後の対応は直ぐに決められる。
⑥上記の①~⑤まで記載すると、長く感じるようだが、実際には数分の時間で対処出来ている。
これにより、「もやもや」した胸騒ぎを引きずることがなく、従ってストレスを溜め込むことが無い。
⑦過去を変えることは不可能だが、「自問自答」により、「もやもや」した気持ちの本当に知りたい「真の原因」が現時点で分かれば、今後の対応も直ぐに明確になる。
そうすれば、過去の経験は貴重な財産となり、その経験を活かし未来を変えられる可能性が高くなる。
3. ただし、この「自問自答」は、最初からなかなか上手くは行かない。
それは、最初に2輪の自転車に乗った時と似ているように思える。
最初は自信が無くて、恐々ペダルを踏み込んでいく。
しかし、最初に思いっきりペダルを踏み込んでスピードをつけないと、上手く左右のバランスが取れなくて、転んでしまう。
そのコツが、最初はつかめない。理屈ではなく、体で覚えるしかない。
一方、「自問自答」も最初は、自分自身に問うてみても、返って来た回答は何となく腑に落ちない内容となる。
そこで、2輪の自転車も、初心者向けに2本の補助輪を後輪につければ、自由に走り回ることができる。
それと同じように、いきなり自分自身に問う「自問自答」ではなく、次のようなステップを最初に行うことで、練習する方法がある。
例として、自分が相手の言動で「怒り」を覚えた場合:
(1)相手は、どうしてそのような言動をとったのか?
(2)自分と相手が、どのような状態になれば、自分は満足できるのか?
また、その状態は、相手も望むものなのか?
上記の(1)または(2)で練習して慣れて来てから、「自問自答」を試してみる。
「どうして、自分は相手の言動に、怒りを覚えたのか?」
4. 「直観力」を磨くことで、何が得られるのかをまとめてみる。
(1)「自問自答」を、自由自在に活用することが可能になる。
自分が必要とする時に、自分が欲しいと思う解を、直ちに得ることができる。
(2)ストレスを溜め込まずに済むので、精神的には楽になる。
(3)失敗を恐れることが薄れる。失敗に気づけば、修正できることを体感できる。
「直観力」を磨くことで、「自問自答」が自由自在にでき、自分の人生に活用することが出来る。 |