2020.2.18
「ストレス」と「負の感情」の関係

「ストレス」と「負の感情」の関係

「ストレス」:自分が、「不快」であると感じた時に発生
・ただし、ストレスが発生することは、ごく日常的なこと
・問題になるのは、強いストレスが発生した時に、そのまま放置して置くことである
「強いストレス」に関する主な「負の感情」は、以下の二つ
①「強い不安」=「恐怖」
②「強い不満」=「怒り」
          

1.「不快」であると感じた時、人はどういう行動を取るのだろうか?

(1)戦う(闘争) か 、(2)逃げる(逃走) か、

どちらかの行動を瞬時に選択する。

これは、狩猟採集時代の名残かも知れない。考えていては、間に合わない。

食糧確保か、死地脱出か どちらにしても生死に関わる行動である。

                      

2.つまり、「恐怖」に近い「強い不安」に突き動かされ、戦うにしろ逃げるにしろ、普通よりも大きな原動力となる興奮状態が必要になって来る。 それが「怒り」に近い感情となる。

その意味では、「強い不安」と「強い不満」は、連動するケースが多い。ともに、「自己防衛本能」であると言える。

                         

3.「強いストレス」を感じている場合、人の体の中では何が起きているのだろうか?

まず、最初に「脳内物質」の「ノルアドレナリン」が放出される。

そして、その「ストレス」が強い場合は、「アドレナリン」も放出される。「火事場のバカ力」の状態となる。

筋肉を十分に働かせられるように、筋肉に十分な酸素とブドウ糖を送り筋肉の血流を増やすことになる。しかし、この「アドレナリン」放出状態は長くは続かない。

                             

4.現在の日本人が「強いストレス」を感じるのは、「強い不満」である「怒り」を覚えるケースで出現しやすい。

この時、「自分は正しく、相手は間違っている」と感じるが、その瞬間相手に対して「怒り」を覚える。これは、「戦う」(闘争)モードである。

ここで、「脳内物質」の「ノルアドレナリン」や「アドレナリン」が放出される。

問題は、この「怒り」の場面が自分の中の記憶に強く焼き付き、後でこの記憶が蘇る度に再び興奮状態になることである。

そうすると、「副腎皮質ホルモン」である「コルチゾール」の分泌が増えてくる

この「コルチゾール」というホルモンが溜まることにより、体調不良が生じて来る。

                              

5.長期間に渡って「強いストレス」状態が続くと、この「コルチゾール」というホルモンの分泌が慢性的に高くなって来る。

それによって、不眠症やうつ病を発症したり、体の免疫力の低下につながって来る。

「風邪は、万病のもと」という言葉があるが、現代では「ストレスは、万病のもと」と言い換えることが出来る。

昔から言われている「病は気から」に通じる。

                             

現在の日本人は、「怒り」で長期間に渡る「強いストレス」状態になりやすい。