歴史から学ぶ点は、何だろうか?
1.狩猟採集の時代が長く(1年カレンダーでは11か月)、その時代の生き方や習慣が、現在の日本人にも色濃く残っていると考えられる。
2.狩猟採取時代では、石器などの道具を使用していたが、他の肉食獣に対して恐怖や不安を感じて過ごしていたと考えられる。
負の感情(恐怖・不安や怒り)に揺さぶられた経験は、忘れないように記憶されてきた。
現在の日本人にも、負の感情を思い出す度に、精神的「ストレス」をその都度感じて、「ストレス」が知らず知らずに溜まっていく。
3.「狩猟採集」時代、大きな「ストレス」(危険な肉食獣や大きな獲物など)に遭遇した場合、瞬時に「戦う」(闘争)か「逃げる」(逃走)か、行動しないと生死に関わった。
その時には、考えている暇は無く、負の感情による行動が大変役立ったと推測される。
そして、大きな獲物から「逃げ続けて」いては、遭遇する機会を逃し続けることになり、「戦う」ことも生きていくためには必要だったと想定される。
4.一方、現在の日本では、「ストレス」に遭遇し負の感情が湧いても、生死に関わることはほとんど皆無である。
現在の日本人が感じる精神的「ストレス」は、主に将来に対する漠然とした「不安」や「思い通りにならない」・「人間関係に困った」時の「怒り」の場合が多く、ストレス源から「逃げ」続けても、何とか生きていける。
これが、今と大昔とでは大きく違う。
ただ、「逃げ」続けても、いつか高「ストレス」状態になるケースがある。平均寿命が延びて、長寿になればなるほど、逃げきれない頻度は高くなる。
5.ところで、狩猟採取時代では、富を蓄積する手段は少なかった。
また、一人ではなく集団で狩りを行うことが多かった。
そのことから、自然に平等の考え方や仲間を思いやる気持ちが強かったと思われる。
世界より日本では、農業革命・産業革命の導入が遅れた分、個人プレイよりチームプレイで動くことなど、潜在的に日本独自の文化や考え方が色濃く残っていると感じる。
6.ここで、農業革命・産業革命の導入後に働く人にとって、想定されるストレス源を考えてみる。
そうすると、第1次産業では「自然」(気候・台風などの自然災害)となり、第2次産業では「品物」(品質・生産効率など)が想定される。
そして、第3次産業では「人」(多種多様な人への対応)が考えられる。
- 約百年という短期間に、第3次産業に携わる人の割合が約7割へと急激に増加した。
7.そして、現在第3次産業に携わる4千万人という多くの人達が、想定される「ストレス源」の「人」に悩まされていると考えられる。
そういう意味では、以下のように暮らしていると言っても、過言では無いかもしれない。
現在の日本人は、過去に比べて長期間に渡る高「ストレス」社会に暮らしている |